開発者ブログ – ワカンダの環境を作るにあたって(パートI)

>>注意!「ブラックパンサー:ワカンダの戦い」の軽いネタバレが含まれています!<<

(ブラックパンサーがワカンダの首都「ビルニン・ザナ」を見渡す)

こんにちは。Crystal Dynamics のエクスペリエンスディレクター、Tore Blystadです。今日はブラックパンサーの新エキスパンション「ワカンダの戦い」にて、舞台であるワカンダがどのようにして作られたかをご紹介していきます。内容が盛りだくさんなため、こちらのブログを2部構成として展開します!

(参考となったブラックパンサーのコミック)

開発チーム内では所謂「マーベルDNA」についてよく話し合われ、このマーベルDNAこそがありとあらゆるものの基盤となります。マーベルの元資料や素材で参考になるものをくまなく探し、ブラックパンサーのコミックを参考にしながら独自のワカンダを正確に、且つエキサイティングな形に作り上げました。

コミックのファンは随所で、コミックの元ネタを発見出来るでしょう。下の像もその一例で、私個人のお気に入りでもあります。

ジャングルこそが、ワカンダやプレイ可能な空間のカギとなります。緑豊かで美しい雰囲気があり、自然な形や迷路のような密度で探検を楽しんで頂けます。

一帯は木の葉に覆われ、太陽光が植物を透過した木漏れ日によってムーディーな体験を味わえます。

(ティ・チャラ王がアベンジャーズを率いて、ワカンダのジャングルを案内する)

ジャングルを隅々まで調べ、滝の裏に隠された入り口などを是非見つけて欲しいです。またジャングルを駆け巡りながら、その美しい光景を楽しんでいただきたいです。

ジャングルの各地にワカンダの古代遺跡や建造物が散りばめられており、その多くがワカンダの現代技術によって守られている遺跡です。こうした古代建造物を調べると、リソースやコレクションアイテムも見つけられます。

我々は様々な古代文明からインスピレーションを受けましたが、ワカンダの面白いところはその文化が数千年前に生まれたにもかかわらず、彼らの技術はその当初から地球上のどの文明よりも優れていたということです。

(「戦士の門」– 帰還した戦士がワカンダを再び入るために通過しなければならない試練)

古代建築を通して、ワカンダ人の職人技や精巧さはもちろん、その先進的な考え方も表したかったのです。例えば下の画像のように、古代のワカンダ人は何世代にも渡って生きた木を構造要素として寺院の建造に組み込んでいました。

(「アズーリの神殿」– ジャングルにある古代寺院で、現在は遺産。「ワカンダの戦い」のストーリーにおいて、重要な役割を果たす。)

ワカンダは他国から征服された歴史はなく、注目点としてMarvel’s Avengersの他の地域やマップからオブジェクトや素材を一切持ち込んでいません(ゲームプレイ用のオブジェクトや素材、アートなどを一切流用していません)。ワカンダ専用の物や素材を用意しているため、何もかもが新鮮です。加えて、ワカンダのオブジェクトや素材は、古代と現代のスタイルが混ざっています。ワカンダを作成するにあたって、アートチームは相当な時間を費やしました。これは単に新規アートの物量が大きいだけでなく、その独特なスタイルのため、ワカンダのアートオブジェクトは全てを一から作る必要があったからです。

(ワカンダのタレット – プレイヤーは味方・敵のタレット両方に遭遇します)

(壁走りに使うワカンダの現代風オブジェクト – さて、誰が使うものでしょう?)

(ワカンダの現代風リソース箱)

(古代風の宝箱)

古代のワカンダ技術は建造した当初と変わらず、現代でも活躍中です。プレイヤーはワカンダ各地で複雑なパズルや移動手段、防衛機器を扱うことが出来ます。これらの遺物は木や生地、貴金属などを用いて美しく作られ、数百年前におけるワカンダの生活を物語っています。

(古代のモノレール – オシャレに旅しよう!)

(古代のタレット – 建造した当初と変わらず、今も危険)

ワカンダの地形はMarvel’s Avengersの中でもっとも深く、ジャングル内に危険な崖や奈落の底などが散りばめられているため、プレイヤーは足元に注意しなければなりません。またプレイヤーの探索を促すよう、宝箱を道中のあらゆる場所に置きました。

(ワカンダのあちこちにこのような崖を見かけることが出来ます – 足元に注意を!)

(ジャングルの至る所に洞窟があり、ワカンダの古い壁画を見つけることが出来ます)

ワカンダの各ミッションではコミックの引用に加え、マップの遠くに見覚えのある目印や建物なども見られます。コミックのファンはワカンダを冒険する中、見慣れた場所を色々発見出来ると思います。

I私たちにとって、ワカンダは空間として切れ目が無く、国のあらゆる場所を見渡せることが重要だと考えています。そういった意味で、ワカンダは他のマップとは違います。例えば、あるミッションでは遠望に黄金都市が見えるクレーターの縁から始まり、次のシーンは都市内部で展開されます。

最後に、今回のコンテンツを一生懸命作り上げた担当者をご紹介したいと思います。ワカンダはCrystal Dynamics 、Virtuos Shanghai 、そしてNixxes とのコラボレーションで生まれました。アートの管理・制作を担当したのはCrystalのJeff Adams(アートディレクター)とCarlos Garcia(外部アートリード)です。Virtuos Shanghai のアートディレクターはJames Brough、NixxesのアートディレクターはOscar Stegehuisです。メインコンセプトアーティストはCrystal のJin Kimです。

引き続き、ワカンダをご紹介して参りますので乞うご期待ください!パートIIでは、拠点を中心にお見せします。